座っていたら痛い腰痛の原因と改善方法
吹田市片山町にあるうえむら整体院の上村です。
本日は腰痛持ちの方からよくお聞きする、長時間座っていたら腰痛が出る場合の、原因と改善方法について解説します。
短時間座れば、足が休まって楽なこともありますが、長時間座ると知らず識らずのうちに姿勢も悪くなり、腰も伸ばしにくくなります。
そんなときに腰に起きている不調を解説しながら、注意すべき疾患もまとめていきます。
目次
- ○ なぜ座ると腰が痛いのか?
- ・原因
- ・椎間板腰痛を放っておくと腰椎椎間板ヘルニアや圧迫骨折の原因に
- ・症状
- ○ 改善方法
- ・【運動療法・ストレッチ】キャット&ドッグ
- ・【セルフケア】骨休めと座り方
- ○ まとめ
なぜ座ると腰が痛いのか?
座る方が腰への負担が減るのでは?とお考えの方も多いと思います。しかし実は立っている時よりも座っている時の方が腰への負担が強いというデータもあったりします。
ではなぜ座っていると腰痛になるのでしょうか?そして、長時間座っていた時の腰痛には、何か特徴があるのでしょうか?
まずは座っている時の腰への負担による腰痛の原因と症状について解説していきます。
原因
まず、座っていた時に腰痛が出る可能性のある疾患について解説します。
・椎間板腰痛
・腰椎椎間板ヘルニア
・(尻もち転倒があるなら)圧迫骨折
思っていたよりも、重度な疾患が出てきてびっくりしましたか?
あくまでこれらは可能性の話であり、そしてこの3つにはある共通点があります。
それは、これら3つは全て脊椎の前側へ負荷がかかることで痛みが発生しているということです。
脊椎は前側が椎体(支える柱)、後側が椎弓(動くための関節)となっており、この前側にある椎体に負荷がかかるということは支える柱が潰れたり、その柱の間にあるクッション(椎間板)が傷ついたり変形したりします。
その結果、椎間板腰痛や腰椎椎間板ヘルニアになったりすることで症状が出るということです。
腰椎椎間板ヘルニアや圧迫骨折は、激しい腰痛や下肢の痺れ、脱力など、明らかに腰痛以外の症状が発生するため、見落とすことは滅多にありませんが、椎間板腰痛については気付かずに進行しているケースが多いようです。
椎間板腰痛とは、椎間板と呼ばれる椎体間のクッションの損傷により起きる腰痛のことをいいます。しかし本来、椎間板には痛みを感じる神経は存在していません。
ではなぜ痛みを感じるのかというと、長時間の座位などで姿勢が崩れ、特に猫勢姿勢になると脊椎の前側への負荷が強くなり、椎体や椎間板に持続的な圧迫をかけてしまいます。その猫背姿勢を継続することで、徐々に椎間板に傷が入り、またその椎間板に痛みを感じさせる神経も入り込んでくるのです。
すると、それまで感じなかったような体幹運動に伴う腰の痛みを感じるようになり、特に椎間板に圧がかかる前屈姿勢や、座位姿勢で腰痛を感じるようになります。
椎間板腰痛を放っておくと腰椎椎間板ヘルニアや圧迫骨折の原因に
腰椎椎間板ヘルニアや圧迫骨折は、そんな椎間板腰痛の延長線上にあると言っても過言ではありません。
というのも、次のような順序で、腰痛はひどくなることが予想されるからです。
1.脊椎の前側へ負担がかかり、椎間板に傷(椎間板腰痛)
2.椎間板の損傷が進み、変形しヘルニアのリスクが上がる
3.さらに椎体への負荷が強くなると、椎体そのものが変形、圧迫骨折
このような経緯で腰痛がひどくなり、将来的に下肢の脱力や歩行困難に繋がる危険性が高まります。
症状
座っていて腰痛が出る場合の腰痛の特徴は以下になります。
・腰部中心の鈍痛
・脊柱を丸めた際の痛み
・立ち上がり動作時の痛み
ひどい場合は下のような症状もあります。
・下肢の痺れ
・下肢の浮腫み
・立ち上がり動作時の脱力
このような症状にまで進行していた場合は要注意です。
もしかしたら腰椎椎間板ヘルニアや圧迫骨折が隠れているかもしれません。
※圧迫骨折は骨密度の低下に伴い発生頻度が増加します。特に閉経後の女性は骨生成に関わるホルモン(エストロゲン)の分泌量が急に減少するので、注意が必要です。
圧迫骨折は、尻もち転倒などの外傷で発症することが多いのですが、骨密度の低下があると、何もしていなくてもいつの間にか骨折しているというケースもあります。
座っていられない、すぐ横になりたくなるというこたは、一度圧迫骨折も疑ってみるべきかもしれません。
改善方法
座っていて腰痛が出る場合の腰痛の改善方法には、どういったものがあるのでしょうか?
ここでは座っている時の痛み改善、予防に最適なオススメの運動法&セルフケアを解説します。
ポイントは脊柱の負荷をいかに減らすかということになります。朝起きてくすぐなどに実施してみてください。
【運動療法・ストレッチ】キャット&ドッグ
運動やストレッチで改善していくための考え方は、とにかくまず脊柱の負担を減らすということになります。
座っているだけで脊柱が丸くなり、脊椎の前側(椎体)への負担が強くなるのでしたよね?
そんな負担が軽減する方法を今日は紹介します。
・キャット&ドッグ
1. 四つん這いで肩の下に手、骨盤の真下に膝が来る姿勢をとる
2.【キャット】目線をおへそに向け背中を持ち上げるように丸める
3.【ドッグ】目線をできるだけ上げて両肩甲骨を脊柱に寄せ、背中をそらすように下げる
4. 2と3をゆっくり繰り返す
2と3の動作を10回繰り返す。ちなみにこの動作を座ったままできれば、さらに効果的に腰痛の症状緩和が見込めます。
【セルフケア】骨休めと座り方
座っていたら起きる腰痛の特徴は、座った際に力が抜けた体幹を支えるために、直接負担をかけてしまった腰椎や椎間板に起きる痛みです。
つまり、腰椎への負担を普段から意識的に軽減されれば、腰痛の出る頻度は減ります。
その一番簡単なセルフケアは2つあります。
1.お昼寝
まず一つ目は、お昼寝です。お昼寝といえど、必ず眠らなければならないわけではなく、あくまで「骨休め」をするイメージです。
真昼間から横になって寝ること自体に、強い抵抗があるかもしれませんが、横になって椎体への負担が減る時間を普段から作り、椎間板への損傷をできるだけ減らしましょう。
2.座り方
座り方によって腰椎への負担を減らすことができます。ポイントは腰椎や椎間板の負担が強い時は、猫背になって脊椎の前側に負荷が集中した時ということです。
つまり、できるだけ骨盤を立てて坐骨(骨盤の下の方の骨)で座るように心がけるだけで、少なくともその間は椎体や椎間板への負担が減っていることになります。
また、その姿勢をとることで動き出しや立ち上がり時の痛みを軽減することができます。
きちんと座れているかの判断は、座った姿勢でお尻の下の骨(坐骨)が、座面にしっかり当たっていることを確認してみてください。
また、最近ではその姿勢を保つための座布団や座椅子が売られていることもあります。最初、痛みの強いうちはそういった器具でサポートしてもいいかもしれません。
まとめ
本日は座っていたら出る腰痛について解説していきました。
基本的には椎間板にかかる負担が多く、もちろん筋肉や神経が原因になる場合もあります。
しかし、筋肉や神経が原因であれば、座っているとき以外の他の動作でも腰痛があるはずなので、座った時だけの痛みであれば椎間板腰痛でほぼ間違いないでしょう。
座って腰痛や下肢の痺れ、脱力、浮腫などがあれば要注意です。そうなる前に今日の記事を参考にして、運動やセルフケアをしてみましょう。