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腰部脊柱管狭窄症に伴う腰痛の原因と改善方法

吹田市片山町の整体院、うえむら整体院の上村です。

 

前回は腰椎椎間板ヘルニアについてお話ししましたが、今回はそれに少し似た症状の「腰部脊柱管狭窄症」についてお話しします。

まだ前回のブログを読まれていない方は、前回のヘルニアのブログからお読みいただいた方が、理解がしやすいかもしれません。

 

まだ読んでいない人はこちらをクリック

>>腰椎椎間板ヘルニアと腰痛の原因と改善方法

 

両方読むことで、それぞれにあった対策ができるので、参考にしてみてください。

 

 

 

今回のテーマ「腰部脊柱管狭窄症」は、一般的には加齢性の変化として扱われ、椎間板の変性や骨の変形、靱帯の緩みなどが原因になると言われています。

 

前回お話しした腰椎椎間板ヘルニアが若い世代に発症するのに対して、腰部脊柱管狭窄症は40代以降の中高年によく発症します。

 

「じゃあ30代の私には関係ないのか?」
「もう50代なんだけど、もう腰痛は治らないの?」

 

とお考えになるかもしれませんが、もちろんそんな事はありません。

 

今日のブログをしっかり読んで参考にして下さい。

目次

腰部脊柱管狭窄症の種類

まずは、腰部脊柱管狭窄症の種類を理解しましょう。
その種類によって症状が微妙に違います。

ここでは腰部脊柱管狭窄症の3つのパターンを解説していきます。

1.馬尾型

脊柱管の真ん中で狭窄を受け、馬尾神経(脊柱管の中に存在する神経)を圧迫した場合に、症状が発生します。

主な症状は後で解説しますが、狭窄部位以下の神経症状が主体となる、両側下肢の痺れ、痛み、脱力(間歇性跛行)、陰部神経障害(膀胱直腸障害、排尿排便障害)などが引き起こされます。

2.神経根型

馬尾神経から分かれて脊柱管の外にある神経根が圧迫される場合に、臀部から下肢にかけての痛み(坐骨神経痛)が起きます。多くは片側の下肢に症状が起きます。

3.混合型

1と2が混合しているケースがこの混合型です。

腰部脊柱管狭窄症の症状

腰部脊柱管狭窄症の症状を解説します。

上述した3つのタイプごとに症状が異なりますが、あなたの今の症状に合わせてご覧になっていただければと思います。

3つの症状とは?

腰部脊柱管狭窄症には主な症状として3つあります。


  • 1.片側下肢の痛み


  • 2.両側下肢の痺れ、痛み、脱力(間歇性跛行)


  • 3.陰部神経障害(膀胱直腸障害、排尿排便障害)



「えっ腰痛がない!?」と考えた方もいますよね。

そうなんです。腰部脊柱管狭窄症自体は、腰痛の直接的な原因にはならないことが多いのです。

それでも、腰部脊柱管狭窄症が原因で腰痛が起きていると考えている方も多いですよね。

この辺りはこのブログの後半でしっかり解説していきます。その前にこれらの症状をざっくりと説明します。

ここからは腰部脊柱管狭窄症の3つの症状について一つ一つ解説していきます。

症状1.片側下肢の痛み

これは上述した通り、神経根型の腰部脊柱管狭窄症となります。
坐骨神経痛のような症状が狭窄部位の神経で発症します。

症状2.両側下肢の痺れ、脱力(間歇性跛行)

これは馬尾型の脊柱管狭窄症です。

腰部脊柱管狭窄症は、簡単に言うと脊髄の通り道(脊柱管)が狭くなる(狭窄する)病気です。

その脊髄の通り道は、背骨や椎間板の後ろにあります。そのため姿勢を正したり、後ろに反ると腰部で脊柱管が狭くなり、前屈みの時は脊髄の通り道が広がり脊髄へのストレスが減ります。

人間は二足歩行であるため、立位をするだけでも少し腰が反り、脊柱管が狭くなります。

さらに、歩行時の立脚期(足が地面に着いている時)の中期以降は足部が体幹より後ろになるため、体幹はさらに後ろに反る形になります。

つまり、歩行を続けるとその度に脊柱管は強く狭窄され、痺れや下肢脱力は強くなるということです。

逆を言えば、座ったり背中を丸めたりすると、骨盤が後傾(骨盤が後ろに倒れる)し脊柱も全体的に後弯(猫背のような姿勢)になり、脊柱管の後ろが広げられ、下肢脱力や歩行障害が緩和されると言えます。

もし腰部脊柱管狭窄症で長時間の歩行が困難である場合は、時々椅子やベンチに腰掛けるようにしてみると、下肢の痺れや脱力が減り、次に立つ時に少し楽になっているはずです。

症状3.陰部神経障害

脊柱管狭窄症が起きると狭窄部位以下の神経障害が引き起こされます。

症状はお尻や会陰部に起こる異常感覚、冷感、灼熱感、排便排尿などに関わる膀胱直腸障害などがあります。

腰部脊柱管狭窄症の原因

原因となる疾患としては次のものが考えられます。


  • ・変形性脊椎症


  • ・腰椎変性すべり症


  • ・後縦靭帯骨化症(OPLL)


  • ・黄色靭帯肥厚症


  • ・変性側彎症


  • ・圧迫骨折



その他でも脊柱管を狭窄するものであれば、なんでも原因になりうるのかもしれません。

脊柱管の広さを狭める「変形」や「変性」、「外傷」などが腰部脊柱管狭窄に深く関わっています。

ここではその一つ一つを簡単に解説します。

変形性脊椎症

その名の通り脊椎の変形に伴い、脊柱管が狭められ、馬尾神経や神経根が圧迫されて腰部脊柱管狭窄症を発症します。

腰椎変性すべり症

加齢などによる椎間板の変性、椎間関節部周囲の靭帯、筋肉の緩みにより上下の椎骨がずれてしまった状態を変性すべり症といいます。

閉経後の女性に多い傾向を認めます。

後縦靭帯骨化症(OPLL)

椎体の後ろ側で上下の椎骨を支えている靭帯が骨化することでその同部位にある脊髄を狭窄します。

後縦靭帯と言いながら、脊髄の前側(椎骨の後ろ側)になります。

黄色靭帯肥厚症

黄色人靭帯は脊柱管の後ろ側にあり、上下の椎骨をつないでいます。

その黄色靭帯が文字通り肥厚し、脊柱管を狭めてしまったために脊柱管狭窄症が発生します。

圧迫骨折

椎骨の椎体(脊椎の前側、大きい幹の部分)がつぶれてしまうことを圧迫骨折と言いますが、つぶれた時に後方の脊柱管の方へずれて狭窄してしまうことがあります。

腰部脊柱管狭窄症と腰痛の関係

上述したように、腰部脊柱管狭窄症と腰痛の間には、直接的な因果関係はありません。

しかし、腰部脊柱管狭窄症でお困りの方の中に、腰痛が出ている方がいるのも事実です。

ここでは腰痛と腰部脊柱管狭窄症の関係性について詳しく解説します。

腰部脊柱管狭窄症は反り腰の方に多い

先ほどもお話ししましたが、腰部脊柱管狭症の症状は、腰を反ったときに強調されやすいのが特徴です。

症状を出さないために、イスやベンチに腰掛けて休憩しながら歩いたり、腰を屈めて歩いているご高齢の方を見たこともあると思います。

腰を前に屈めることで脊柱管が広がり、下肢への痺れ、痛み、脱力などを軽減しているのです。
では、腰痛はどうでしょうか?

腰部脊柱管狭窄症の症状を出さないために、前屈み気味になっているため、背部は常に緊張状態と言えます。

その結果、腰背部に筋筋膜性の腰痛が出てきてもおかしくありません。

となると、根本的には腰部脊柱管狭窄症の症状が改善しないと、腰痛は改善しないことになります。

しかし、腰部脊柱管狭窄症の原因は変形や骨化、外傷など様々であり、それ自体の改善はとても難しいのが実情です。

腰部脊柱管狭窄症になっても腰痛がない人もいる

腰部脊柱管狭窄症と腰痛が合併している時の考え方として覚えておいてほしいのは、腰部脊柱管狭窄症で下肢の痺れや痛み、脱力があっても、実は腰痛が全くないという人も結構いるということです。

大前提として、腰部脊柱管狭窄症と腰痛に直接的な因果関係はないので、腰痛は腰痛で考えて評価し改善できれば問題ないと考えておきましょう。

もちろん前屈み歩きをずっと継続している中等度以上の腰部脊柱管狭窄症の症状であれば、腰部への負担がなかなか改善しないケースもあります。

でも意外と腰は腰で整体してみると、腰痛だけ改善され腰部脊柱管狭窄症の本来の症状のみが残る場合も結構あります。

どうしても我々は診断名と思い込みに囚われてしまわれがちですが、ご自身のお身体を客観視してみると、腰痛に関しては改善できる糸口があるかもしれません。

改善方法

ここでは、腰部脊柱管狭窄症の方で腰痛にお困りの方が、症状を改善するための方法を解説していきます。

※腰部脊柱管狭窄症の改善方法ではなく腰痛の改善方法です。つまり、腰部脊柱管狭窄症の下肢の痺れや脱力が改善するというよりかは、腰部脊柱管狭窄症の人に見られる姿勢、筋力低下に伴う腰痛を改善する方法となります。
下肢の痺れや脱力の改善方法に関しては、腰椎椎間板ヘルニアの記事で解説しています。もしかしたらそちらの方が効果的かもしれません。

腰部脊柱管狭窄症特有の身体の歪みや筋緊張を改善するための方法を解説していきます。

【ストレッチ】膝抱えストレッチ

腰部脊柱管狭窄症があり、腰部に痛みがある場合、避けなければならないのが、腰を反らす様な動作です。腰を反らすと、脊柱管はさらに狭くなる、症状が悪化します。

そこでまずやってみて欲しいのは、「膝抱えストレッチ」です。仰向けで寝たままできるので、今日から実施してみてください。

《膝抱えストレッチ》


  • 1. 仰向けで寝ます。

  • 2.股関節90度、膝も90度でキープできる様に、イスかソファーに膝から下を乗せます

  • 3. 両膝を抱えて背中を丸めます。

  • 4. 息を吐きながら5秒数えます。

  • 5. 足を元の位置に戻します。




1セット(10回)を、

  • ①起床時

  • ②午前10時頃

  • ③昼食前

  • ④午後3時頃

  • ⑤夕食前

  • ⑥就寝前




これらの時間帯を目安に、痛みが悪化しない限り1セットずつ(6セット)を目標に行なってください。

腰を反らさない様に注意していください。また呼吸が止まりやすいので、実施中は息が止まらないようにしてください。特に伸ばす際に息を吐くことができれば効果的です。

【ストレッチ】背中伸ばしストレッチ

背中を反らさないと言いましたが、このストレッチは有効です。

股関節を深く曲げ込んでいるために骨盤が後傾され、腰椎が反らないようになっています。

しかも背中においては伸展してストレッチされているので、とても気持ちよく背中全体を伸ばせます。

やり方は簡単です。
《背中伸ばしストレッチ》


  • ・足を少し開いて正座(正座ができなければ曲がる範囲で膝を曲げる)

  • ・両手を前に、できるだけ遠くにつく

  • ・頭を下げおへそを覗き込む




注意点として、必ず座るところから始めてください。両手を遠くについてから股関節を股関節を曲げてしまうと、腰椎を反らしてしまうことがあります。

それでももし痛みや下肢の痺れが出るようでしたら、すぐに中止して下さい。

【セルフケア】歩行時に痛くなったら?

歩いている途中もし痛みが出てきたらどうすればいいのでしょうか?

上述した通り、歩行時は体幹が繰り返し伸展する為、脊柱管が狭窄されやすく、しばらく歩くと下肢の脱力や痺れ(間歇性跛行)が発生します。

そこで先ほどもお伝えした通り、


  • ・座る

  • ・前屈みになる



などで、脊椎の後ろ側にある脊柱管を広げ、症状を緩和できます。

と、ここまでは、あくまで腰部脊柱管狭窄症の改善方法の話です。今回考えたいのはそれだけでなく、「腰部脊柱管狭窄症に伴う腰痛の改善方法」なので、そちらも解説します。


腰痛の改善方法は?



腰部脊柱管狭窄症の症状があり、加えて腰痛も発症している場合は、以下順番で発症している可能性があります。


  • ①腰部脊柱管狭窄症の間歇性跛行や下肢の脱力が発生

  • ②間歇性跛行や下肢の脱力を回避するために前屈み姿勢になる

  • ③前屈み姿勢による腰背部への負担から腰痛になる



こうなると、腰痛を改善するために必要な事は以下の2つになります。


  •  腰背部の強化

  • 座位姿勢の改善



一般的に病院やデイケアでのリハビリでは腰背部の強化のために筋力トレーニングを行なったりします。
しかし上述したように、腰部脊柱管狭窄症においては前屈み姿勢が避けられないものとして考えると、腰部への負担が減るわけではないので、腰痛の改善は限定的なものとなってしまいます。

そこで考えて欲しいのは、「座位姿勢の改善」です。座位姿勢も脊柱管を広げる姿勢であり、そして座位の腰痛を改善する方法は以前のブログでも紹介したように有効な方法もあります。

以前のブログを読む方はこちらをクリック
>>座っていたら痛い腰痛の原因と改善方法

これに合わせて、腹圧を高めて姿勢が崩れないようにすることも大切です。腹圧を高める「腹圧呼吸」についても以前のブログ「立ち上がり動作時に痛い腰痛の原因と改善方法」のセルフケアで解説しているので参考にしてください。

>>立ち上がり動作時に痛い腰痛の原因と改善方法

腹圧を高めて、正しい座位姿勢を保つことが、腰部脊柱管狭窄症の症状を緩和させたまま、同時に腰痛も軽減する唯一の方法と考えられます。

まとめ

以上、腰部脊柱管狭窄症に伴う腰痛の原因と改善方法について解説致しました。

まとめると、腰部脊柱管狭窄症にはさまざまなタイプ、症状、原因があり、それぞれに必要な運動療法やセルフケアが存在します。

そのメカニズムを正しく理解して、あなたにとって重要な改善方法を、見つけて下さい。

腰部脊柱管狭窄症に伴う腰痛の場合、実は腰部脊柱管狭窄症の症状を避けるための前屈み姿勢や座位の長時間保持が原因となるケースがほとんどです。

となると、前屈み姿勢を支える体幹筋力か負担のかからない座り方とそれを保持する重心と筋力が必要になります。

今日のブログを参考に症状緩和を目指しましょう。

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