立ち姿勢で痛い腰痛の原因と改善方法
吹田市片山町の整体院、うえむら整体院の上村です。
今回は立ち姿勢を続けた時に出る腰痛について解説します。
普段はさほど症状がなくても、家事や仕事、外出先で長時間の立ち姿勢を続けた場合に腰痛がある、そんなお悩みはありませんか?
立ち姿勢の時、人の身体は下肢への負担が一番強く、足が疲れてきた際に全身に歪みを生じさせます。
その歪み方が特徴的なために腰痛が発生するのが、今回のケースです。
今日はそんなケースに当てはまるあなたの為に、しっかり解説していきます。
目次
立位保持による腰痛の原因と症状
座っていたり、動いていたら腰痛はないのに、なぜか「立ちっぱなしの時だけ」腰痛が現れる、その原因は何なのでしょうか?
またそのような腰痛の症状には特徴があるのでしょうか?
ここでは立ち姿勢を続けた際に起こる腰痛の原因と特徴的な症状を解説していきます。
立ち姿勢で起こる腰痛の原因
立ち姿勢の継続で腰痛が出る場合の主な原因は、下肢の疲労がほとんどと言われています。
下肢が疲れて、歪みを作りやすいのが、二足歩行の宿命というべきかもしれません。
つまり、まず理解しなければならないのは、人間の立ち姿勢そのものが特徴的だということです。
よく考えると、二足歩行で四六時中過ごすのは人間だけですよね。
二足歩行の時点で、立位で体を支える場所は2箇所(足の裏)しかないということになります。
また、立位を保つ為に、人間の筋肉は全体的に後面(背中、もも裏、ふくらはぎ)が発達してきます。
その中でも下肢最大の筋肉であるもも裏(ハムストリングス)は骨盤を後ろに引っ張って上半身を持ち上げる為に常に働きます。
ハムストリングスは疲れてきて短縮すると、骨盤を後下方に引っ張って猫背姿勢を作ったり、膝を曲げて股関節を外に広げるガニ股のような姿勢を作ります。
そのような姿勢は結果的に腰痛や坐骨神経痛を招きやすく、良姿勢を保とうとしても難しくなってしまいます。
言葉では少しわかりにくいですが、画像を見れば明らかです。この姿勢を続けると、腰痛が出てもおかしくなさそうなことは、なんとなくわかりますよね。
長時間の立位によって、ハムストリングスが短縮するだけで、このような不恰好な姿勢になってしまうのです。
立ち姿勢で出る腰痛の特徴・症状
ここまで立ち姿勢で腰痛が出る場合、大きくて力学的に優位性のある、身体の後面の筋肉(背部の筋肉、ハムストリングス、ふくらはぎの筋肉)の影響で、腰痛が出やすい立ち姿勢になるとお話ししました。
では、その症状には特徴があるのでしょうか?
立ち姿勢で腰痛が出る場合、その多くは強烈な痛みになはなりません。しかし、重だるく、なかなか改善しない根深い痛みが出ることが多いのが特徴です。
多くは運動をすることで軽減しますが、なかなか解消するまでには至りません。
上の項でお話ししましたが、長時間の立位に伴い疲労が蓄積し、楽な姿勢を保とうと大きい筋肉に頼ることが原因となることが多いため、疲労の蓄積が解消しない限り身体は大きい筋肉に頼ることになります。
また、実は両足に体重を分散させずに、片脚に体重をかけて立位を保つことも多く、すべての体重をどちらかの骨盤付近に乗せるような姿勢になることもあります。
つまり、身体の歪みは猫背やガニ股のような前後の歪みだけでなく、「休めの姿勢」のような左右の骨盤の歪みも生じさせることになります。(日頃から身体の歪みを感じている人は、立位姿勢でこうなります)
その結果、疲労の蓄積が解消し、歪みを出す必要がないようにならなければ、腰痛は改善しないということになります。
立ち姿勢で腰痛がある人の症状がなかなか改善しないのは、疲労の蓄積によって複雑な身体の歪みを作るからと言えます。
改善方法
立ち姿勢の継続によって出てくる腰痛の改善方法はあるのでしょうか?
ここまでのお話で、立ち姿勢の腰痛は疲労の蓄積が起因となるので、なかなか改善しにくいということがわかっています。
ここではシンプルに立ち姿勢で腰痛が起こっている時の身体の、骨格の状態にフォーカスして改善方法を解説していきます。
立ち姿勢をチェックする
そもそも正しい立ち姿勢とはどのような姿勢でしょうか?
ここでは簡単なチェック方法を紹介します。
【立ち姿勢チェックの方法】壁立ち
- 1.壁に背中をあて、頭の後ろとお尻、かかとが触れるように立つ
- 2.壁と腰の間にどのくらい隙間が開くかを確認する
- 3.手のひら1枚分ほどであれば正常
1枚以上であれば反り腰で、手を入れる隙間がなければ円背(猫背のような姿勢)となります。
反り腰も円背も、どちらにせよ腰痛を引き起こす要因となるので、意識しなくても1枚分になっていれば正常という目安が立ちます。
しかしここで注意して欲しいのは、立ち姿勢での腰痛はそもそも「疲労の蓄積によって起こる姿勢の乱れ」が原因です。
なので、このチェックで反り腰や円背になっていても、もしあなたの腰痛の原因が疲労であれば、疲労の蓄積を解消すれば改善する可能性がありますし、そうでない、骨の変形で姿勢が崩れているのであれば、このチェックだけでは判断できないかもしれません。
姿勢維持を楽にする「腹圧呼吸」
立位姿勢時の腰痛は、疲労の蓄積により姿勢維持が難しくなった場合に起こります。
それがガニ股姿勢であれ、反り腰であれ、骨盤の歪みであれ同じような機序を辿ります。
そこで、その姿勢維持そのものが楽になる方法である、「腹圧呼吸」は対症療法としては最も効果的かもしれません。
ここではその腹圧呼吸を立位でやる方法を紹介します。
腹圧呼吸(立位バージョン)
- 1.壁際に立ち、背中に手の平を入れます(背中の間が手の平1枚になるように背中を丸めるor反らす)
- 2.もう片方の手をお腹に当てます
- 3.背中の反り具合が変わらないようにお腹を膨らませます
- 4.お腹を膨らませたまま深呼吸します(この時も背中の反り具合が変わらない)
立位でお腹を膨らませようとすると、どうしても背中が反り気味になりがちです。
背中の反りが変わらないように、お腹を膨らませ、お腹を膨らませたまま深呼吸することで腹圧の維持ができるようにしていきましょう。
まとめ
立ち姿勢で腰痛が発生する場合、疲れてお腹や背中の力が入りにくくなることで、骨盤の歪み、背骨の歪み、重心のズレなど、疲労のない時には起きない身体の変化があります。
根本的な問題は、疲労の蓄積なのかもしれませんが、疲労を蓄積せずに生活することができないから苦労するのですよね。
本日の改善方法は若干対症療法的ではありますが、立ち姿勢をチェックして、腹圧維持を意識するのは2足歩行である私たち人間にとって、最低限のケアとなるのかもしれません。
今日の内容を参考に、まずは立位の負担を減らす工夫をしてみてくださいね。