緊張や痛みで起こる失神

緊張や痛みで起こる失神|採血・長時間の立ちっぱなしで倒れる原因とは
この記事でわかること
「採血をすると気分が悪くなって倒れてしまう」「強く緊張したときに意識が遠のく」「長時間立っていると冷や汗が出て倒れそうになる」といった経験はありませんか。
このように、強い緊張や恐怖、痛み、採血、長時間の立位などをきっかけに起こる代表的な失神が「血管迷走神経性失神」です。
血管迷走神経性失神は、神経調節性失神や反射性失神と呼ばれる失神の一つです。
身体の反射によって血圧が低下したり心拍数が低下したりすることで、脳へ送られる血液が一時的に減少し、意識を失います。
突然倒れる場合もありますが、その前に吐き気、冷や汗、顔面蒼白、目の前が暗くなる、フワッとするなどの前兆が現れることもあります。
比較的よくみられる失神ですが、意識を失う原因には不整脈や心臓の病気などもあります。そのため、特に初めて失神した場合には「緊張したから」と自己判断しないことが重要です。
この記事では、緊張や痛みで失神する仕組み、血管迷走神経性失神と自律神経の関係、起こりやすい状況、危険な失神との違い、受診の目安や日常生活での対策について解説します。
危険レベルと受診の目安
危険レベル:●●●〇〇
血管迷走神経性失神そのものは比較的よくみられる失神ですが、「意識を失った」という症状だけでは原因を判断できません。
失神には、不整脈など心臓が原因となるものや、起立性低血圧などによるものもあります。また、てんかんなど失神とは異なる病気によって意識を失うこともあります。
特に、運動中に突然意識を失った場合や、胸痛・強い動悸などを伴う場合には注意が必要です。
目安:心臓など緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。
行動:●●●●●:救急要請を含め、速やかに医療機関を受診してください。
目安:血管迷走神経性失神以外の原因も含めて確認する必要があります。
行動:●●●●〇:循環器内科などの医療機関へ相談しましょう。
目安:血管迷走神経性失神の特徴と一致する場合があります。
行動:●●〇〇〇:初めて失神した場合や診断を受けていない場合には、医療機関で原因を確認しましょう。
症状チェック
- 採血や注射のときに気分が悪くなる。
- 血液を見ると倒れそうになる。
- 強い痛みを感じたあとに意識が遠のくことがある。
- 緊張や恐怖が強い場面で倒れたことがある。
- 長時間立っていると気分が悪くなる。
- 暑い場所で立っていると症状が出やすい。
- 倒れる前に吐き気を感じる。
- 冷や汗が出たり、顔色が悪くなったりする。
- 目の前が暗くなることがある。
- 横になると症状が楽になることがある。
血管迷走神経性失神では、突然意識を失う前に「何となく気持ち悪い」「冷や汗が出る」「目の前が暗くなる」といった前兆が現れることがあります。
こうした前兆を知っておくことは、転倒によるけがを防ぐうえでも重要です。
緊張や痛みで失神する原因
脳が正常に働き続けるためには、一定量の血液が脳へ送られ続ける必要があります。
血管迷走神経性失神では、身体の反射によって血圧や心拍数が変化し、一時的に脳への血流が低下することで意識を失います。
原因1:血管迷走神経性失神とは
血管迷走神経性失神は、反射性失神の代表的なタイプです。
強い感情、恐怖、痛み、採血、長時間立ち続けることなどをきっかけとして起こることがあります。
身体の反射によって血管が広がり血圧が低下したり、心拍数が低下したりすると、脳へ届く血液が一時的に不足します。
その結果、意識が遠のき、場合によっては完全に意識を失います。
原因2:自律神経の反射が関係している
心拍数や血管の収縮・拡張には自律神経が関係しています。
通常は立っているときにも血圧が大きく下がらないよう、身体が自動的に循環を調節しています。
しかし、血管迷走神経性失神では、特定の刺激をきっかけとしてこの循環調節に一時的な反射が起こり、血圧や心拍数が低下します。
これは単純に「自律神経が乱れている」というだけではなく、特定の状況で起こる反射による失神として考える必要があります。
原因3:採血や痛みで起こる理由
採血、注射、けがによる痛み、血液を見ることなどは、血管迷走神経性失神のきっかけになることがあります。
「怖いと思ったから気の持ちようで倒れた」という意味ではありません。
刺激をきっかけとして身体に反射が起こり、血圧や心拍数が低下することで実際に脳への血流が減少します。
過去に採血で気分が悪くなった経験がある場合には、採血前に医療スタッフへ伝えておくことが大切です。
原因4:長時間の立ちっぱなし
長時間立っていると、重力の影響によって血液が下半身にたまりやすくなります。
通常は血管を収縮させるなどして脳への血流を維持しますが、血管迷走神経反射が起こると血圧が低下し、失神につながることがあります。
特に暑い場所や人混み、長時間立ち続ける状況などでは症状が起こりやすくなる場合があります。
原因5:失神する前に前兆が現れることがある
血管迷走神経性失神では、意識を失う前にさまざまな前兆が現れることがあります。
代表的なのは、吐き気、冷や汗、顔面蒼白、熱く感じる、目の前が暗くなる、ふらつくなどです。
前兆を感じた段階で安全な場所に横になることで、失神そのものや転倒によるけがを防げる場合があります。
「心因性失神」とは違うの?
緊張や恐怖をきっかけに起こるため、「精神的な問題で倒れている」と思われることがあります。
しかし、血管迷走神経性失神では、自律神経反射によって血圧や心拍数が変化し、脳への血流が一時的に低下することで実際に失神します。
一方、心因性偽性失神などでは、失神のような発作が起こっても、典型的な失神と同じような脳血流低下では説明できない場合があります。
見た目だけでは判断できないため、繰り返す場合には医療機関で適切な評価を受けることが重要です。
自宅でできる生活ケア
- 自分が失神しやすい状況を把握しておく。
- 吐き気や冷や汗などの前兆を覚えておく。
- 前兆を感じたら無理に立ち続けない。
- 可能であれば安全な場所で横になる。
- 横になれない場合には、転倒しないよう座る。
- 長時間立ち続ける状況をできるだけ避ける。
- 暑い場所では体調の変化に注意する。
- 脱水にならないよう適切な水分摂取を心がける。
- 採血などで失神した経験がある場合は事前に医療スタッフへ伝える。
- 睡眠不足や過度な疲労を避ける。
血管迷走神経性失神では、前兆に気づいて早めに行動することが非常に重要です。
「目の前が暗くなってきた」「冷や汗が出る」「吐き気がする」と感じたら、我慢して立ち続けないようにしましょう。
可能であれば横になり、転倒による頭部のけがなどを防ぎます。
医師から血管迷走神経性失神と診断されている方では、前兆時に脚や腕の筋肉へ力を入れる身体的カウンタープレッシャー法などを指導されることもあります。具体的な方法については医師の指導を受けましょう。
うえむら整体院でできること
失神には、血管迷走神経性失神だけでなく、不整脈や心臓疾患など医学的な評価が必要な原因があります。
そのため、初めて失神した場合や原因が分からない失神を繰り返している場合には、整体より先に医療機関で原因を確認することが重要です。
うえむら整体院では、必要な医学的評価を受け、重い疾患が否定されている方を対象に、失神だけを見るのではなく、睡眠、疲労、呼吸、姿勢、身体の緊張なども確認します。
強い緊張や疲労、睡眠不足などが続いている方では、日常的に身体の緊張が抜けにくくなっていることがあります。
こうした身体の状態を確認しながら過度な緊張を整え、自律神経が働きやすく、夜に深く眠り、一晩寝たらしっかり回復できる身体づくりをサポートします。
ただし、整体によって血管迷走神経性失神そのものを治療したり、失神を防止できるという意味ではありません。必要な医学的診断・治療を基本としながら、睡眠や疲労、身体の緊張などに対する身体面からのサポートを行います。
まとめ
緊張や恐怖、痛み、採血、長時間の立ちっぱなしなどをきっかけとして起こる代表的な失神が「血管迷走神経性失神」です。
自律神経の反射によって血圧や心拍数が低下し、脳へ流れる血液が一時的に減少することで意識を失います。
失神する前には、吐き気、冷や汗、顔面蒼白、目の前が暗くなるなどの前兆が現れることがあります。
前兆を感じたら無理に立ち続けず、安全な場所で座る、または横になり、転倒によるけがを防ぐことが大切です。
ただし、失神には不整脈や心臓の病気など注意が必要な原因もあります。特に初めて失神した場合、原因が分からない失神を繰り返す場合、運動中に失神した場合、胸痛や強い動悸を伴う場合には、自己判断せず医療機関へ相談しましょう。
