周期性嘔吐症

周期性嘔吐症|突然くり返す吐き気・嘔吐の原因と自律神経の関係
この記事でわかること
「突然、激しい吐き気と嘔吐が始まる」「何度も吐いてしまう時期があるのに、発作が終わると普段通りに戻る」「疲れやストレスが重なると吐き気を繰り返す」といった症状はありませんか。
このように、強い吐き気や嘔吐の発作を繰り返し、その間には比較的症状のない時期がある病気を「周期性嘔吐症(周期性嘔吐症候群:CVS)」と呼びます。
周期性嘔吐症は子どもにみられる病気として知られてきましたが、大人にも起こります。発作が始まると短時間に何度も嘔吐し、数時間から数日続くこともあります。
原因は完全には解明されていませんが、片頭痛との関連や、脳と消化管の情報伝達、自律神経、ストレス反応など複数の仕組みが関係すると考えられています。
また、睡眠不足、精神的ストレス、疲労、感染症などが発作のきっかけになる人もいます。
この記事では、周期性嘔吐症とはどのような病気なのか、特徴的な症状や発作のパターン、自律神経や片頭痛との関係、受診の目安、日常生活で意識したいポイントについて解説します。
危険レベルと受診の目安
危険レベル:●●●〇〇
周期性嘔吐症では激しい嘔吐を繰り返すため、発作が長く続くと脱水や電解質異常などを起こすことがあります。
また、吐き気や嘔吐は胃腸炎、腸閉塞、脳・神経疾患、内分泌・代謝疾患など、さまざまな病気でも起こります。特に初めて激しい嘔吐が起きた場合には、「周期性嘔吐症だろう」と自己判断しないことが重要です。
目安:重度の脱水や緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。
行動:●●●●●:救急要請を含め、速やかに医療機関を受診してください。
目安:周期性嘔吐症を含め、繰り返す嘔吐の原因を確認する必要があります。
行動:●●●〇〇:消化器内科などの医療機関へ相談しましょう。
目安:体調やストレスによる一時的な胃腸症状の可能性もあります。
行動:●●〇〇〇:十分に休息し、繰り返す場合には医療機関へ相談しましょう。
症状チェック
- 突然、強い吐き気が始まる。
- 短時間に何度も嘔吐することがある。
- 似たような嘔吐の発作を繰り返している。
- 発作が終わると比較的普段通りの状態に戻る。
- 発作が数時間から数日続くことがある。
- 吐き気と一緒に腹痛や頭痛を感じることがある。
- 光や音がつらく感じることがある。
- 睡眠不足や疲労のあとに発作が起こることがある。
- 精神的なストレスが強い時期に症状が出やすい。
- 本人または家族に片頭痛の経験がある。
周期性嘔吐症の特徴は、単に吐き気が続くことではなく、似たような嘔吐発作を繰り返し、その発作と発作の間には症状が軽い、または比較的普段通りに過ごせる期間があることです。
ただし、症状だけで周期性嘔吐症と判断することはできません。ほかの病気による嘔吐を除外したうえで診断されます。
周期性嘔吐症が起こる仕組み
周期性嘔吐症の原因は一つに決まっているわけではありません。現在では、脳と消化管の情報伝達、片頭痛に関連する仕組み、自律神経、ストレス反応など複数の要因が関係していると考えられています。
原因1:脳と胃腸の情報伝達
胃腸は食べ物を消化するだけの臓器ではなく、脳と神経やホルモンを通じて絶えず情報をやり取りしています。
この「脳と腸のつながり」は、吐き気や嘔吐の反応にも関係しています。周期性嘔吐症では、この調節機構が何らかの影響を受けることで、一定の条件下で強い嘔吐反応が起こる可能性が考えられています。
原因2:片頭痛との関連
周期性嘔吐症は片頭痛との関連が強いことが知られています。
本人に片頭痛がある場合だけでなく、家族に片頭痛のある人がいることもあります。また、吐き気だけでなく、頭痛、光や音への過敏など、片頭痛と共通する特徴がみられることがあります。
このため、周期性嘔吐症は片頭痛と関連する病態の一つとして考えられることがあります。
原因3:自律神経による胃腸の調節
胃や腸の動き、消化液の分泌、血流などには自律神経が関係しています。
また、強い吐き気が起きると、冷や汗、顔色の変化、動悸など、自律神経に関連する身体反応を伴うことがあります。
周期性嘔吐症では自律神経機能との関連も研究されていますが、「自律神経の乱れだけが原因」と考えることは適切ではありません。複数の要因が関係する病態として考えることが大切です。
原因4:発作を引き起こすきっかけ
周期性嘔吐症では、人によって発作のきっかけがみられることがあります。
精神的なストレス、睡眠不足、疲労、感染症、食事の変化などが発作のきっかけになる場合があります。また、女性では月経との関連がみられることもあります。
ただし、毎回必ず明確なきっかけがあるとは限りません。
原因5:発作期と症状の少ない時期を繰り返す
周期性嘔吐症では、激しい吐き気・嘔吐が続く「発作期」と、その間の比較的症状が落ち着いている時期を繰り返すことが特徴です。
発作のパターンがある程度似ている人も多く、「いつも同じ時間帯から始まる」「同じくらいの期間続く」といった傾向がみられる場合があります。
こうした発作の周期や症状を記録しておくことは、診断や治療方針を考えるうえでも役立ちます。
自宅でできる生活ケア
- 発作が起きた日時や症状を記録する。
- 発作前の睡眠、疲労、ストレスなども記録する。
- 普段から十分な睡眠時間を確保する。
- 起床・就寝時間を大きく乱さない。
- 極端な空腹を避け、規則的な食生活を意識する。
- 疲労をため込みすぎないよう休息時間をつくる。
- 自分にとっての発作のきっかけを把握する。
- 医師から発作時の薬を処方されている場合は指示通り使用する。
- 嘔吐が続くときは無理に食事を摂らず、水分摂取の可否を確認する。
発作を繰り返している場合には、「何を食べたか」だけではなく、睡眠時間、疲労、精神的ストレス、感染症、月経なども含めて記録しておくと、自分にとっての発作のきっかけが見つかることがあります。
一方、嘔吐が激しいときに無理に大量の水分を飲むと、さらに吐いてしまうこともあります。水分を保てない状態が続く場合には、自宅だけで対応せず医療機関へ相談してください。
また、周期性嘔吐症では発作を予防する治療や、発作が始まったときの治療が行われる場合があります。処方された薬を自己判断で中止・変更せず、主治医と相談しながら治療を続けることが重要です。
うえむら整体院でできること
周期性嘔吐症の診断や治療は医療機関で行います。特に、激しい嘔吐が続いて水分を摂れない場合には脱水の危険があるため、整体よりも医療機関での対応が優先されます。
うえむら整体院では、必要な医療を受けている方や重い疾患が否定されている方を対象に、発作そのものを治療するのではなく、睡眠、疲労、呼吸、姿勢、身体の緊張などを確認します。
発作のきっかけとして睡眠不足や疲労、ストレスが関係している方では、普段から身体に力が入り続けていたり、夜になっても身体を休息状態へ切り替えにくくなっていたりすることがあります。
こうした身体の状態を確認しながら過度な緊張を整え、自律神経が働きやすく、夜に深く眠り、一晩寝たらしっかり回復できる身体づくりをサポートします。
ただし、整体によって周期性嘔吐症そのものを治療するという意味ではありません。医療機関での治療を基本としながら、睡眠や疲労、身体の緊張などに対する身体面からのサポートを行います。
まとめ
周期性嘔吐症(CVS)は、強い吐き気や嘔吐の発作を繰り返し、発作と発作の間には比較的症状の少ない時期があることを特徴とする病気です。
原因は完全には解明されていませんが、片頭痛との関連、脳と消化管の情報伝達、自律神経、ストレス反応など、複数の仕組みが関係すると考えられています。
また、睡眠不足、疲労、精神的ストレスなどが発作のきっかけになる人もいるため、自分の発作パターンを記録して把握することも大切です。
ただし、嘔吐にはさまざまな病気が隠れている可能性があります。特に初めての激しい嘔吐や、水分を摂れないほどの嘔吐、強い腹痛・頭痛などを伴う場合には自己判断せず、速やかに医療機関へ相談しましょう。
